ソニー・ウォークマンの1号機が出たんは、わしが大学生じゃった時。音楽に関わっとった頃なんで、周囲の者はこぞってこれを買ぉて、シャカシャカシャシャカシャカと耳障りなヘッドホンの音をさせとった。画期的な商品と認めつつも、あまりの音の悪さに呆れて、わしは手が伸びんかった。
母親が入院した時、親戚が病院生活の退屈凌ぎに、とラジオ付でステレオ録音機能もついたウォークマンを差し入れてくれた。カセットケースより少し大きい程度の筐体で、随分しっかりした音が出ていて驚いた。ちっちゃなステレオ・マイクで、かつてのカセット・デンスケに近いええ音質で録音できるんで、これにも驚いた。
時は流れて先月、わしゃ、初めてのウォークマンを買ぉた。ポータブル・オーディオも自体、買うんは初めてじゃ。
![20130214_HNI_0025stereo 20130214_HNI_0025stereo](https://gumabora.wordpress.com/wp-content/uploads/2013/02/20130214_hni_0025stereo_thumb.jpg?w=244&h=184)
最早カセットテープの時代ではのぉて、64ギガバイトのメモリ式。曲を放り込んでみたら、ざっと9千曲近ぉ入った。一曲あたりの演奏時間が長いクラシックやプログレが多いのに、こんだけ入る。
いやいや快適快適・・・と、購入して2週間が過ぎた今は、そぉ感じる。最初の1週間は、実は、踏んづけてがちゃがちゃに壊しちゃろぉか、と何度も思ぉた。それほどに扱い辛い代物じゃった。本体はええ音しとってええんじゃけどが本体とつるむ筈のソニー製ソフト『x-アプリ』、これがたいそぉな難物で、重ぉて死ぬほど遅ぉて馬鹿で不具合だらけで、時代遅れの概念で出来が悪い。なかなかウォークマン本体を稼動状態に持って行けん。
この阿呆ソフトを使わずともウォークマンを動かすことはできるんじゃが、本体の便利機能を快適に使おぉとすると、この糞ソフトを使うしかない仕組みになっとる。ネットで不具合の解決策を検索すると、解決策どころか嘆きや呪詛の記事の方が圧倒的に多い。ブチ切れまくっとるユーザーの多いこと、多いこと。まったく呆れたソフトじゃ。
ソニーの諸君、客じゃのぉて、時代遅れのカタブツ上司の顔色を気にして、このソフトを作っとるんじゃあないかぁ?
ともあれ、10日ほどかけて、この”死んでしまえ!糞ソフト”の使い場所を”開発”し、ウォークマンを安定させた。
ここまで済ませたところで、よぉやく有難味が湧いてきた。高音質の9千曲がいつも手元にあるんは、たいそぉええね。「おまかせチャンネル」っちゅう自動選曲機能が特にええ。
んじゃが、まともに動かすまでにヘトヘトになっちもぉたよ、ソニーの諸君!